◆道具にこだわる。【親指かけ編】 /0043

ラリネット吹きなら、絶対にうんうん大きく頷いてもらえること間違えなしのこの質問です。「右手の親指、いたくなったことありますよね?」思い起こせばクラリネット始めた当初。楽器を、右手の親指一本で支えることが大変でした。不安定だし、何よりずっと重さが乗っていて、跡がついて、赤くなって、とにかく痛い!私は中1だったので、12歳の細い指に、800gの楽器は重すぎて、シビれて感覚がなくなって、早々にクラリネットダコができました。でもタコができる方が練習している証拠で、上手い、という錯覚をしていたあの頃……(笑)。ということで、「道具にこだわる。」シリーズ第2弾。【親指かけ編】です。

クラリネット宮前和美


クラリネットと、右手の親指。

 

いやー、クラリネット吹きのみなさん。
絶対に共感してもらえること間違えないこの質問、

 

「右手の親指、いたくなったことありますよね?」

 

まずは、思い起こせばクラリネット始めた当初。
楽器を、右手の親指一本で支えることが大変でしたよね?
不安定だし、何よりずっと楽器の重さが乗っていて、跡がついて、赤くなって、とにかく痛い!
私は中1だったので、中1の細い指に、800gの楽器は重すぎて、シビれて感覚がなくなって、早々にクラリネットダコができました。
タコができる方が練習している証拠で、上手い、という錯覚をしていて、名誉の負傷というか、勝手に喜ばしいことと思っていたあの頃……(笑)。

夏休み、比較的厳しい部活だったので、後輩である中1と中2は立って練習しなくてはいけないという変な伝統があり、立ちっぱなしで何時間も練習。ときどき、右手を離して、手を振って、痛みを分散させて動かしてから、再開。そんなことして、よく腱鞘炎にならなかったものだ。
今なら速攻休ませて、休憩を挟みながら練習させます。
楽器を始めて間もない人がいるこの時期ですが、痛いなら無理はしないように!
指導者の方でしたら、楽器を始めたての初心者にとって、楽器の重さや慣れない構え方は想像以上に負担があります。休憩は小まめにとってあげてください!

 

次に、楽器の重さに慣れてきて、難しい十六分音符が大分吹けるようになってきたとき。
さあ、早ければ早いほどカッコいい、上手い、という錯覚。
とにかく指が回るように動かそうとして練習を重ね、早く動かしすぎて支えている親指が痛くなったあの経験。(笑)
確かに超絶技巧のパッセージを颯爽と吹けたら格好いいですが、練習中メトロノームにも合わせず、転んでも気にせず、レガートでなくても、とにかく何回も吹き直して、一通り吹き切るような、繰り返しのギリギリなテンポでの音の羅列。転ぶ練習を重ねているだけで、完全に無駄です。過去の中学の私に会えるなら、今すぐやめさせます。

 

そして、3つ目は、長時間のリハーサル、朝から晩まで吹くようなコンクール前や、合宿のような環境といった、単純に楽器を持っている時間が何時間にも渡るとき。かなり負担が増えます。しかもこういうときって、それが一日だけではなく、連日続きますもんね。

 

親指が痛くなるのは、大きくこの3つに分けられると思いますが、もともと重さに対して指が細かったり、構え方に改善の余地があったり、長時間の練習だったりで、練習後は痛みがひどかったり、腱鞘炎が癖になってしまったり、クラリネット特有の右手の親指の弊害は色々あります。クラリネットダコに関してはいろいろ個人差もあり、全くできない人もいますし、練習しないと消える人もいますが、私の場合は、もう20年以上クラリネットをほぼ毎日持ち続けているので、重さに耐えるため、クラリネットダコができていて、右手の親指の爪も気持ち大きく、骨や関節は太く進化(と言っていいかわかりませんが(笑))しています。

 

そんな、クラリネットの右手の親指にかかる負担を軽減する道具(オーボエも一部共通)は、楽器店やネットでたくさん情報を見つけられると思います。

例えば
・親指かけに、市販のサムレストをつける。

・親指かけに、コルクを貼る。(楽器リペアマンに相談。)
・親指かけに、ゴム管をつける。(東急ハンズに売っている、透明、黒、ガス管、様々試すと違います。)
・親指かけの高さを調整する。
・親指かけ自体を付け替える。(指の負担を考えられたものが販売されています。トンコイマン サムレスト
・ストラップをする。(市販、自作含む。)

 

 

私にとっての親指かけの一番の悩みは、痛くなるというより、少しづつ親指が滑ってきてしまうことでした。一般的に親指の第一関節で支えると言われますが、親指かけに親指のどこに置くかによって、他の指とのバランスが変わってきます。親指が滑って、爪の方に楽器がずれていき、他の指のバランスが変わって、力が入って、結果的に親指が痛くなってしまう。

 

どうしたら滑らないようになるんだろう。

 

楽器環境周辺の道具にこだわり始めたあるとき、文房具屋さんに何かヒントがないか、いろいろ物色していました。この頃は、リードケースを自分で作ってみたり、マウスピースケースを作ったり、鉛筆につけられる消しゴムにこだわったり、クリーニングペーパーに変わるあぶらとり紙は何が一番いいかたくさん試したり、世界堂や東急ハンズが大好きな時期でした。

指が滑らないようにする道具は何かないかと探しているある日、紙をめくる為の文具がたくさんあるのを見つけました。指サックをしながら吹けば、滑らないかも。

 

 

やってみるけど、指がキツイ。
他に何かあるかなぁー。

ん?!

 

 

指に貼るシール?!
これいいかも!
ちょうど丸いし、指に貼るより、親指かけに貼ってみたらどうだろう?!
いい!!!

 

 

そしてもう1つ忘れがちですが、親指が楽器を支えているのは、親指かけの部分だけじゃないということ。
親指の腹で、楽器本体にも接触しています。そこでもきちんと楽器を持っている意識が必要です。
なので、親指の腹に当たる楽器本体にも滑り止めを貼ってみる。

いい!!!

 

 

今まで不安定に感じていたフィンガリングが一気に安定しました。
ゴムのサムレストだと響きを吸収してしまいますが、これはそんなことないし。
現在私は親指の支え方のアップデートもされ、慣れてきたので、親指かけにしか滑り止めシールを貼っていませんが、滑りやすい人には二ヶ所に貼るのがオススメです。剥がれてもすぐかえられるし、手軽にできるのでとてもいいです。

 

過去の私のように、
「手を入れていない状態の楽器」にできる限り自分が合わせてしまう、もしくは、
「楽器とはそういうものだ」と思って、自分に我慢を課しながら吹き続けてしまう、ということは、

演奏の操作性や無理を軽減できる可能性を狭めてしまっているかもしれません。ほんの少しセッティングが変わるだけで、場合によっては大きく影響してくるので、どんどん専門家に相談したり、自分なりに試してみたらいいと思います。

右手の親指の痛みに悩む、クラリネット吹きの少しでもお役に立てますように♪

「道具にこだわる。」シリーズ、第2弾でした!

 

クラリネット宮前和美


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2 Comments

  1. 記事にあった「トンコイマン サムレスト」ってどうなんでしょうか。
    田舎の小さなホールでアレッサンドロ・カルボナーレの離れ業を目の前で見るラッキーが2度もあったのですが、かれの楽器のサムレストはこんな感じのものでした。楽器の荷重をなるべく手元へかけて指を解放しているのかなぁ、これ楽器に細工をしなければできなさそうだから真似はちょっと無理かなぁと、自分の気持ちは一応整理してきました。
    無駄な緊張を避け、仕事で日々使うキーボードをたたくのと同様な軽やかさ正確さをもち、あるいは手になじんだカメラのファインダーに集中するような感覚で楽器をもてあそびたいと願ってますが、現実はその真逆。ゴルフをする人みたいに、道具でなんとかできるところはなんとかしたいと思っています。考え直して、サムレストに細工をするチャレンジをする値打ちがあるでしょうか。

    • コメントありがとうございます♪
      カルボナーレは、まさにこのトンコイマンのサムレスト使ってますね!おっしゃるように、トンコイマン用の指かけをつけるためには、楽器に二箇所(多分)穴を開けなくてはいけないと聞きました。抵抗ありますよね。でも現代のリペアの技術だと、万が一開けた後、使わなくなってもう一度穴を埋めたいとなったときには、ほぼわからないように、そして響きも変わらないくらいの完成度で、元に戻せると聞いたことがあります。
      このサムレストは、二箇所に重さを分担できるのでかなり有効かとは思いますが、実際私は使ったことがないので本当に使ったことがある人に聞いてみる、もしくはドルチェ楽器に問い合わせていただくのがいいかと思います♪
      ストラップもかなり負担の軽減には役に立つと思いますので、もし試していらっしゃらないようでしたらストラップしてみて、右手の負担が少しでも減った状態を体感してみるのはいかがかなぁと思います!
      お役に立てたら幸いです!

      宮前和美

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