◆成功する音楽家になる、その分かれ道って? /0069

Facebookページ【多くの音楽家が知らないでいる、演奏に役立つこと。】

に2018年5月15日に投稿した記事です。

成功する音楽家になる、その分かれ道って?


成功する音楽家になる、その分かれ道って?

太陽の光が眩しく、緑が生き生きした森の中で、あまり耳にしない野鳥の鳴き声をききながら、風通しの良い、広々とした部屋で、数十人が大きな輪になっているその真ん中で、低音ミの音だけロングトーンをしました。

富士山の麓の御殿場でのアレクサンダー・テクニークの学校BodyChanceの合宿で、元ダンサーであるグレッグ・ホールダウェイ先生に再びレッスンしてもらう機会があり、ドキドキワクワクしながら、そんな風にレッスンは始まりました。

呼吸の話をしてもらい、最後に湧いてきた大きな私の疑問に対して、グレッグの答えをその場の人たちと共有できたのが、今後の学びにおいてとても重要なことでした。

あのレッスンを思い出しながら、この場で共有します。


 

グレッグから見て、私が楽器を吹くときにやっているけれど、必要ない動きがありました。

グレッグは私に、はい、床で横になんなさい、と。

最近張りかえられてキレイに見える絨毯とはいえ、土足の床なんだけどーと思いながら(笑)、思い切って寝っ転がり、自然に起こる呼吸の動きを確認。

寝転がると自然に、お腹が先に動き出します。

それを体感。

そして、楽器を吹く呼吸は、このお腹主導権の動きを、さらに増大させるように


 

気づけば陥っている思考のクセは、お腹の動きを第一優先で考えすぎて、その他が疎かになってしまうこと。

大切な原理は、

【動きはいつも全体で起こる(Always all of you)】

ということと、

【お腹の動きの後に、胸部が連動して動く】

ということ。


 

Stand Up!

立って同じことをしてみて。

 

1、地面からの上へのサポートがあり、

2、いつもと違うルートで楽器を構え、

3、息を吸うとき、お腹から動かし、

4、息を吐くとき、肩甲骨や肋骨の挙上をしながら、

 

低音ミの音のロングトーン。

 

3が抜けたね、今度は4があまり起こらなかった。

確かに。

 

そうグレッグに言われながら、新しい吹き方を学び、試していましたが、今の音は、この4つの意図を持って、身体を動かして、ミの音を吹けたはず!

と内心判断していた音がありました。

 

でも、グレッグには、3が60%くらいだったね、と言われました。

その瞬間に、疑問のタネが、もくもくと大きな「?」に育って行くのがわかりました。

 

この疑問をグレッグに言わずには帰れない。


 

今の私はやったつもりだったのに、やれてなかった。

 

「ってことは、今のようにできたか、できてないか、正確な判断がまだできない自分なのか。

それともこのまま帰って練習していけば、1〜4までできるようになる自分なのか。

それが判断できません。

 

そう言ってみたら、

いつかの大統領のように、

「Yes,You can!(いや、できる!)」

と即、返されました。(笑)

 

そのあと

「このGW合宿で、一番の本当に良い質問だ!」

と、グレッグに言われ、

音楽のレッスンで、先生と生徒の関係について行った調査がある、という話がおもむろに始まりました。

 

『どんな生徒が、独立して成功する音楽家になれるのか。』

 

そんな話が投げ込まれ、でもきっと私の質問の答えに帰結するんだろうと、興味深く耳を傾けました。

周りにいる数十人の聴講生も、シンと静かになっていくのがわかりました。


 

その調査では、

レッスンのときに、持ってきた曲を一通り弾き終わって、

●先生の方を向く生徒。

●空(くう)を見つめるような生徒。

成功する音楽家になるかを予測できる、大きく際立って違った要素がこれだったと。


 

どういうことでしょう?

どちらが成功する音楽家になるでしょう?

 

「後者が、成功する音楽家になる生徒の要素だった。」

 

周りの人たちから興味深いという、感嘆の声が響き、グレッグと一緒にその声に四方八方から囲まれました。

 

パッと先生の方を向いて、先生の反応を待っている、つまり、自分の演奏の評価を先生に委ねるという瞬間的な反応をする生徒なのか。

自分の演奏がどうだったのか、自分で判断しようとする、反芻する様子が、空を見つめるという反応になっている生徒なのかという違い。

自分の演奏を自己評価しようとしていたり、自己評価できたりする生徒かどうかが、成功するかどうかの分かれ道。


 

私がグレッグに質問した、先生の評価と、自分の評価の誤差を、どう判断したらいいかわからなかったという発言は、これに関わっていたのです。

【自分を自己評価することを学ばなくてはいけない。】

だから、この質問はとてもいい質問だったんだよ、と。

アレクサンダー・テクニークのスーパーティーチャーの持つ観察眼、動きに対しての繊細さを、自分が自分に行うことになるんだと。


 

グレッグが言っていた自己評価能力をレッスン中に用いていないと、

先生の技術、先生の音楽性、先生の耳、先生の観察眼などだけで、レッスンは進み、終わってしまいます。

自分が自分の先生になり、自己評価をしながら、レッスンでは先生の判断を借りて自己評価能力を磨いている思うと、レッスンは途端に能動的になります。

 

先生はいつも生徒の前に立っているわけじゃない。

 

グレッグの前では生徒として対面していましたが、私が先生の立場になって他の人の前に立つときに、今度は逆に、生徒自身がレッスンの中でそれも学べるようにするという、先生自身の意図と能力が試されるとも感じました。

 

アレクサンダー・テクニークの教師の中で、世界で5本の指に入るであろうスーパーティーチャーとの、とてもとても素晴らしいレッスンでした。

合宿のあの空間だけで終わらすのはもったいないくらいの価値があると思い、御殿場の清々しい空気を思い出しながら、文章にしました。

皆さんとシェアしたいと思いますので投稿します。

(写真は、4つのプランのうち、2番目のいつもと違うルートで楽器を構えるところです♪私はマッピが歯に当たらないか心配してますが、グレッグは楽しそう。)

 


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に2018年5月15日に投稿した記事です。


クラリネット奏者、アレクサンダー・テクニーク教師
宮前和美(みやまえかずみ)

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