ポジティブな人とネガティブな人との、舞台での違い。アレクサンダー・テクニークで学んできたことと同じことを、スポーツメンタルのワークショップでも教わりました。何かを深く考えて、よりよく生かすことを考えると、同じ考えや真理に行き着くのかもしれません。スポーツで良いパフォーマンスで勝利を呼ぶのも、楽器演奏で舞台でベストを尽くせるのも、同じメンタルからくるポジティブシンキングです。
クラリネット宮前和美
どう反応する?
さて、こんなことを経験したら、いつもの自分は、どう反応するでしょう?
「ジメジメした雨の日、乗ったバスに、学生がたくさん乗り込んできて、とても混雑し座れず、渋滞にはまって、駅まで到着が遅くなりました。電車にギリギリになったので、ダッシュして、雨で濡れ、満員電車に乗車。そのあと乗り換えるはずの路線は人身事故で、振替輸送中。路線を大回りして、焦りながら目的地に着いたら、待ち合わせの相手は寝坊して、今から向かうとメールが来ました。」
とても色々なことが起こりながら目的地に着いているように感じますが、この出来事を要約すると、「バスと電車で、待ち合わせの場所に行った」、と単純化できます。
雨に濡れたのも、学生がたくさんいたことも、バスも電車が遅れたのも、満員電車だったのも、相手が寝坊したのも、自分が影響を及ぼせないことであり、それが喜ばしいことではないかどうかと判断し、自分の感情を決定するのは、実は自分の選択です。
●目的地に至る途中で、混雑や、渋滞、遅延にイライラしながら、こんなに苦労して来たのに、寝坊した相手のルーズさも、信じられない!ムッカー!という感じに反応するのか。
●ハプニングが色々あって、ドキドキさせられたけど、取り敢えず、自分は何事もなく、予定通りに着いてしまった、凄い!ラッキー!自由な時間ができたから、本屋に寄ったり、ショッピングでもしてよっかな♪、というように思うのか。
少なからず影響を受けたという事実は、誰にとっても変わりありませんが、反応の仕方は実はたくさんあるのです。
アレクサンダー・テクニークでは、その反応を選択するということを学びますが、先日受けたスポーツのメンタルワークショップでも同じことを取り上げていました。
ハーバード大学のポジティブ心理学
ハーバード大学のポジティブ心理学の、研究結果によると、ポジティブな人は、イヤなことが起こった事実に対して、ネガティブな反応と共に、前向きな反応をもそこから3つ多く生み出す、ということが分かっているそうです。
対して、ネガティブな人は、後ろ向きな反応だけをする。
ポジティブな人は、後ろ向きな考えをあまりしない、元々前向きな反応をする性格なのではなく、ポジティブな人でも、イヤなことは同じようにネガティブな反応をするけれど、それ以上の数のプラス思考がある、という反応の違い。
その数の差が、研究で裏付けされているとのこと。
それが性格の差となって見えるけれど、人の資質がそうさせるのではなく、反応の積み重ねの違いだとは、新たな認識でした。
ポジティブのストック数
同じ話が、舞台上のことでも、当てはめられます。
例えばオーケストラで舞台にいる演奏者は、同じ舞台で、同じ環境と、同じ時間を過ごすのに、反応は100人がそれぞれ千差万別で、一人一人が選んだ反応です。
自分を緊張させることを、積み重ねて反応してしまう人。
舞台でネガティブなことに反応しても、それ以上の音楽に向かうエネルギーや意味を生み出しながら、そこにいる人。
などなど。
だから、ネガティブマインドが出てきても、数で上をいくポジティブマインドを、同時に持ち合わせていよう!
事前にポジティブの持ち合わせ数をストックして増やしておこう!
ポジティブのストックを増やす方法
スポーツのメンタルワークショップで、そのポジティブのストックを増やす方法を教えてもらいました。
自分が叶えたいことに対して、自分が自信を持てる理由を、10個リストにして書き出します。
その文章を、現在進行形に直し、主語に「私は、」と付け加えて、文章にします。
「私は、毎日練習している。」
「私は、舞台に立つことを、より良くしようと考えている。」
「私は、音楽がもつ素晴らしさを知っている。」
・・・・・・
自分から出てきた、信じられる言葉、それが、反応を選び、ポジティブに舞台で演奏する力になります。
有効であるかもしれないことは、全部、次回の本番で試していきます!
ネガティブになりそうな方も、お試しあれ。
(そうは言っても、なぜポジティブ思考で舞台で演奏できないのか、自分の反応の仕方を上手くコントロールできないのかの理由は、次回のブログに後編として投稿します!)
続編はこちら ↓
◆後編 どうすればポジティブ思考で舞台で演奏できるんだろう?
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