◆アンブシュア解剖学 <1> 口輪筋(こうりんきん) /0023

アンブシュア解剖学として、<1>まとめる系、<2>ひく系、<3>密着・圧力を高める系、の三つに分類しました。その中から今回は、「口輪筋(こうりんきん)」を取り上げます。バテ、口がもたない、口が疲れる、保てない問題についての対策も、自分なりに口輪筋から見つけ、以前ほどその問題がなくなりました!


クラリネット宮前和美


 

<1>「まとめる」系

口輪筋(こうりんきん)

 

楽器をくわえる。

息がもれないように口を閉じる。

発振体との接点となる。

そんな役割を担っている筋肉の、代表がこちら!

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口輪筋(こうりんきん)です。

口をすぼめるとき(タコの口、口笛を吹く、キスをする、唇を強く閉じる動きなど)に、口輪筋が働きます。

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実は、アンブシュアに関係するほとんどの表情筋は、口輪筋に接触しています。

しゃべったり、物を食べたりするのに、口の周りを、繊細に柔軟に動かす必要があるからだと思います。

それがベースになって、アンブシュアは、口輪筋の働きを中心に、放射線状に広がってついている筋肉が、口輪筋の働きを調節しながら、アンブシュアは作られていると思うと、いつもと違うアプローチができます。

 

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どう口輪筋と接触しているかというと、

口輪筋の下に隠れにいって、上に引き上げたり、

直接、接触して、横や下に引いたり、

口輪筋の、上で接触していたりする筋肉があります。

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口輪筋ってかなり広範囲!

 

こうやって見ると、実際の顔との位置関係が曖昧ですが、この口輪筋の幅はかなり太く大きく、唇の部分だけではなく、その周りにぐるっとついています。

唇より1cm~1.5cmくらい外側も含み、円を描いたように筋肉が唇をかこっています。

 

漫画だと、サザエさんに出てくるふぐたさんの唇のように(分かりますか?(笑))、ちょっと大げさな唇が、もう一回り自分についているようなイメージ。

 

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右半分は、人の肌のままで、左が顔の中の筋肉です。

左右での、赤い唇の部分の大きさと、口輪筋の幅にすごく違いがありますね。

大分広い範囲に口輪筋があります。

いつもマウスピースを囲ってまとめると思って使っている場所より、もっと広く使えると思おうと、息漏れをしている時など、この考えが生かせるかもしれません。

 

 


口輪筋って鍛えられる?!

 

筋肉には大きく二種類あり、インナーマッスルとアウターマッスルに分けられます。

インナーマッスルは、持久力が必要な仕事に適している。(長距離ランナー筋肉)

アウターマッスルは、瞬発力に適している。(短距離ランナー筋肉)

管楽器を吹かない人よりは、確実に吹いている人の方が、口のまわりの筋力があると言えますが、口輪筋は基本的に表層にあるアウターマッスルなので、どちらかというと鍛えにくい筋肉です。

 

息漏れしやすい、しにくい、口がバテやすい、バテにくいという、人によって差があるのは、口輪筋が弱いのではなく、口輪筋への負担の掛け方が強すぎることによって起こるのではないかと最近思います。(クラリネットの場合)

 


口輪筋の働き、動き、たくさんあります!

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そして、深部繊維と浅部線維があり、外と中が違う働きです。

口輪筋の、縮み方のグラデーションによって、とも言えるようですが、

少し使うと、「閉じる、堅く結ぶ」働きに、

より多く使っていくと、「とがらす、すぼめる」働きに

なります。

例えると、イソギンチャクのように、深層はしっかり岩に密着していて、浅層は柔軟に形を変え動いている、機能の違いです。

 


 

バテ、口がもたない、口が疲れる、保てない問題について

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音を出すために息を吐くと、口の中の空気の圧力がかなり高まりますが、そのときに、岩にしっかりくっつくような、「歯茎に密着させる」機能が忘れられ、表面だけで圧力を受け止めてしまうと口が早くバテます。

この歯茎に密着させることは、ずっと私の中でされてこなかったことでした。

息の圧力と均衡を保ちながら(←これも重要)、歯茎へ適度に密着しているアンブシュアに変化してからは、以前ほど、口がもたない、という問題はなくなりました。

 

表面は、マウスピースとリードを囲って閉じておく。

深い部分は、歯と歯茎側にぴったりくっつけておく。

 

色々なことが積み重なって、息漏れしたり、口がバテたりしますが、歯茎にいかに顔の筋肉が密着させられているかが、この問題の解決の糸口の一つだと私は思っています。

(密着させる筋肉は他にもあります。次の機会に!)

 


口輪筋まとめ

 

今回の「マウスピースをくわえる、まとめるときに」、口輪筋(こうりんきん)は、

 

・色々な筋肉と繋がっていること

・範囲が思ったより広いこと

・働きによって、動き方が変わること

 

というポイントが、アンブシュアに役立てられます。

 

色々な解剖学の本や、教則本などに載っていなかったけれど、私が管楽器を演奏するときに、知っていたいと思っていたことを第一弾としてまとめました。

働きを分類して、これから少しづつ載せていきたいと思っています♪

 

参考:
◆アンブシュアで悩んだこと、今までありますか?
◆ アンブシュアで悩んだときに、知っておきたい9つのこと。

 


アンブシュア解剖学

<1>まとめる系
口輪筋(こうりんきん)

<2>ひく系
<3>密着・圧力を高める系

 


 

(画像:Essential Anatomy)

(以前も記載しましたが、私のブログで今後記載する解剖学の知識は、『今まで自分の演奏に役立ってきたこと』を書いていこうと思っていますので、時にはザックリをした知識だけでも、自分に十分役立ったものは、医学的・解剖学的には浅い知識や、専門用語ではない言葉のまま載せる可能性もあるということを前提に読み進めて頂けたらと思います。もし間違って、誤解を生みそうな表現になっているときは、勉強にもなりますし、どんどん訂正しますので、コメントなどでお知らせ・ご指摘くださいませ。)


 

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