「私たちをどんな音の旅に連れて行ってくれた?」
と聞かれたけれど、いつもやってるウォームアップのときのゆーっくりな半音階を吹いていて、今日も息を吐く瞬間を観察していた私は、即答できなかった。でも何年もキャシーのレッスンを受けていたので、何を言いたいのかすぐにわかった。
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クラリネット奏者、アレクサンダー・テクニーク教師 宮前和美
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「私たちをどんな音の旅に連れて行ってくれた?」
と聞かれたけれど、いつもやってるウォームアップのときのゆーっくりな半音階を吹いていて、今日も息を吐く瞬間を観察していた私は、即答できなかった。
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これ自体まずまずどんな意味?って感じだと思うけれど、何年もキャシーのレッスンを受けていたので、何を言わんとするかすぐにわかった。
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そもそも鏡を見て吹いて最近気になっていたことがあって、それは息を吐く瞬間に、首のあたりが筋張って、きっと必要ない動きをどこかでやっているか、もっと働いて使った方がいい場所がありそうだったのに分からなくて、その自分の探求の仕方を相談して楽器を吹いたのだった。そこに、「私たちをどんな音の旅に連れて行ってくれた?」という質問がキャシーから出てきたという流れ。
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私が責任を取るから、ただ私たちをその音で音の旅に連れ出して。それをしたら首の辺りの話に戻ってくるって絶対約束するからと。息を吐くことのレッスンは、音で旅に連れて行っていることで、やれるようになる。(というように通訳を通して理解した。)
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そうだった。私は音を出すことで、積極的に周りの聴衆と関わる必要があるんでしたが、それをせずに自分観察に勤しんでおりましたよ。
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「基礎的な練習」に縛られていた。ブレスや身体の使い方にゆっくり向き合える時間、練習は一人、半音階、ルーティーン、本来聴かせるものではないというような認識。
そうだけど、
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音を出すことは、聴衆を含めて吹くこと。
いまこの場にいなくても、未来の聴衆のために音はある。
そして、今回のレッスンを受けるにあたっては、今目の前にいるキャシーや聴講してくれている周りの人たちが、聴衆となる。
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音の旅とは、音によってイマジネーションの世界や意図を持った何か行動を聴衆に促し、私が何か具体的なアクションを起こすこと。
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音を出すというそもそもの向き合い方はどーした!と(笑)、自分の足元をアップで撮っていたら、あれれれー?と思っているうちにGoogleマップ的に一気にアングルが地球まで引いちゃった感じ。
このレッスンではまだまだまだまだ色々なことをアドバイスしてもらい、一回分じゃ書き切らない。けど身体の使い方に留まらない、芸術家のキャシーのレッスンという揺るぎないところ。
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さて、これを読んだあなたは、音出し・基礎練・ウォームアップと思ってるとき、自分以外の聴衆に対して何か考えてる?
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重要なことだから、もう一回言ってみる。
音出し・基礎練・ウォームアップと思ってるとき、自分以外の聴衆に対して何か考えてる?
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