◆音楽をやってる人のために書いておきたいと強く思ったこと。

ここでブログを終了しようと思ったあとに、また思いついちゃった。音楽やっている人のためのブログなので、これはやっぱり書いておきたい!と強く思えることを。いつもは脱線だけど、今日は脱線ではなく、有意義な行き先の延長である。籠原止まりだったけど、高崎行きになった湘南新宿ラインのような。(笑)
クラリネット奏者、アレクサンダー・テクニーク教師 宮前和美

今日はクラリネットのレッスンしてから、BodyChanceに来日しているアレクサンダー・テクニーク教師キャシーのレッスン受けに目黒の学校に行く日、と思って準備していたら、直前に生徒さんから体調不良のメールが届いてキャンセルになったので、直接目黒に向かう。
そのキャンセルがあったからか分からないが、予定時間をなぜか早く間違えたようで、目黒駅に着いたときに、1時間も予定より早く到着していることに初めて気づき、得した気分になる。
最近やはり文章を書くのが面白いので、目黒駅のホームで座ってしばらくiPad miniで文字を綴る。
時々SNSを覗いて、目黒駅のホームでしばらくiPadで他の世界と繋がっていた。
そうすると、周りの人は消え、発車ベルや雑踏の騒がしさも消え、時間の感覚も薄れてくる。
電車に乗りこむ人たちは1分に賭けているような規則正しい細かい時間で動いているのに、私は別の空間と時間を過ごしていたことを、我に返った時に気づく。
現実は、電車のホームのベンチ。
今日のキャシーのレッスンで、PCをテーマにレッスンを受けていた人がいた。
私の場合、この文章を生み出し続けているのは、キーボードをつけた簡易PCのようなiPad miniなんだけど、最近こうやって文章を書くことが多くなったので興味津々なレッスンだった。
PCやタブレットだけではなく、スマホにも役立つと思うので今日はこの話題で始めている。
その人の悩みは、何人かでskypeをやっていると、しゃべっている人に集中してしまい、話し終わると首筋に疲れが出るということらしい。
恐らく誰もがこういうものを長時間使っていると、目が疲れたり肩が凝ったりしてくると思う。
スマホの普及でストレートネックが増えてきているから、頭を下げず、猫背にならないように姿勢に気をつけよう!
と世間ではそんなことを一般的に言われ、ちょっと背筋を伸ばして下を向かないようにスマホを持つ手を少しあげたり。疲れたら目を揉んだり、首を回してみたり。
いま読みながら意識した人がいますね?(笑)
でもアレクサンダー・テクニークのレッスンではちょっと違う。
頭と脊椎の関係を変化させることが肝であり、でも先生がアドバイスする言葉や動きや説明や方法は何通りもある。
その中でも、キャシーの現代文明に対しての分析に基づいたPCへのアドバイスは、絶対聞いたことがないと思うのでそこから始めます。
人は成長する過程で、子供の頃から何かを真似して学んできている。
親や兄弟や友達、身近な人がやってることを真似して、例えば小さい子が悪い言葉遣いを覚えたり、家族の雰囲気や歩き方が似ていたり。
そして、生きていく中で身の回りにある道具も。
(お箸の先端は指ではないのに、挟むものがどんな質感で固さがあるのかと感じられたり、車を運転していると車体ほど自分の大きさはないのに、動ける範囲や内輪差や前後の感覚がありぶつけることなく運転できたりする。)
考えてみると不思議な現象だけど、身近で使っているさまざまな道具は自分と一体化している部分があり、道具として使っている以上に、それらを真似していることがあるのだ。
今日のキャシーのレッスンで言うと、PCもスマホもそうであるという分析。
画面の中に自分がいるような感じがあったり、大きさの真似であったり、動きのない質感や物質へのシンクロ。
けれどPCは機械で自分は人間、別々で違うものである。
画面を見るときも吸い込まれそうになって周辺視野が全く使われなくなりがちだけれど、周りには別の距離感で見えるものがある。
電車の中であれば周りの人であったり、PCであればマウスや書類など。
いま手にしているスマホの周りも見渡してみる。
(キャシー自身はわざと窓際にPCを置き、木々の揺れや鳥の動きが目に入るようにしているらしい。)
似せる必要ない部分を似せようとしたときに、人間の体はあたかもそのようになったという感じを返してくれるような、本来必要ない身体の使い方をしてしまう
身体を小さくしてみたり、動きを止めてみたり、それが首筋の固さや目の疲れなどに繋がる。
でも、自分と機械は別個体
いま画面を読んでその手に乗っているスマホと、自分の頭からつま先までのざっくりとした自分全部の体積や面積を比べてみる。
スマホの何倍の面積が自分にはあることか。
なんだか息が入ってきたり、目が自由になったり、聴覚が戻ってきたりする。
それらと頭と脊椎の関係性を変化させて、改めてPCの相手に向き合うというレッスンがキャシー流。
で、この話には続きがある。
私の話に戻ってくるんだけど、私は目黒駅のホームでこのiPadに向かって、雑踏も消えるくらい自分の世界にどっぷりハマっていた。
そのゾーンに入っている感じって(本当のゾーンとはちょっと違うかもしれないけど(笑))、大好きな本を読んでいて、その世界観と想像の世界に飛んで時が経つのを忘れて楽しんでいることと、すごく感じが似ていた。
でもPCってそんな風に、自分の存在を失ってしまわせかねないことなんだとしたら、本を読む自分の有り様も、よくないかもしれない。
何か気をつけた方がいいのか?と。
キャシーの返事は、もともと私が楽しんでいるなら問題ないんじゃない?良いことのように聞こえるけど何か問題でも?
と、何だかそもそも当たり前なご指摘を賜る。
そりゃそうだ、ある意味、私の杞憂ってやつ。
でもその発言も理由があった。
媒体によって関わり方が違うからという答え。
本は質感があるし、言葉に対してイメージを自分で作るというレスポンスをするもの。
だからPCと違うし、またkindleで読むのとも違う。
(キャシーは出来る限り紙にプリントして読むようにしているとのこと。)
そして私がPCで自分の世界に入っても、本と同様の世界で楽しんでいるのは、私はその大きさの真似をせず付き合えているからじゃないの?って。
今日は現代文明、スマホやPCとの関係性を改めて考える時間になった。
と、ここでブログを終了しようと思ったあとに、また思いついちゃった。
音楽やっている人のためのブログなので、これはやっぱり書いておきたい!と強く思えることを。
いつもは脱線だけど、今日は脱線ではなく、有意義な行き先の延長である。
籠原止まりだったけど、高崎行きになった湘南新宿ラインのような。(笑)
私が時々群馬に行くときに使ってる路線なんだけど、籠原止まりで終わらせるわけにはいかない、という感じなのだ。湘南新宿ラインを長く乗り継ぐ人だけ共感する例えですみません。
てゆーか、ここは確実に脱線でした。(笑)
気を取り直して発言。
その思いついたこととは、音楽家がやっている楽譜に書いてある「音への真似」について。
勘のいい人はもう気づきましたね?
我々音楽家が日常触れているものは楽器や楽譜である。
音符への関わりはもう小さい頃から始まり、そこから色々なことを感じて読み取っている。
これは道具じゃないけど、同じように音符と自分と一体化して真似させやすい
例えば小さい音を吹くとき、身体を小さく。
大きな音を吹くときは、楽器を上げて身体を大きく。
低い音のときは、身体を屈めて低姿勢に。
高い音は、眉毛も上げて背も伸ばす。
パフォーマンス的にやってもおかしくないことだけれど、それが今回のレッスンのようにあたかもそうであるかのように、自分の身体の大きさや高さを不都合なように真似させてしまって、実際不都合がある場合がある。
小さい音を吹くとき、身体をギュッと小さくしなくっても実は吹ける。
やるべきことは「呼気時の吸気的傾向」。(これってすっごく大切なのに一回もブログで書いたことない!今度書く。)
大きな音のときに、胸を張って身体をそらさなくっても大きな音は出る。
やるべきことは「骨盤底筋と腹筋を使うこと」
という、様々な音符とシンクロさせた身体の動きへの独立アドバイスを、レッスンで何度か(何度も)したことがある。
音楽家にとって、音符の役割は、自分のそのものと感じやすい。
それだけ密接なのである。
PCやスマホ同様、音符と自分も別個体
あとは師匠の身体の使い方の真似
これは本当に憧れがあり尊敬していればいるほど起こり得る。
楽器の構え方、演奏中の動き方、特徴的なしぐさなど。
師匠のちょっとした音出しの真似などわざと学生同士でやって、研究室で笑い転げた思い出が蘇る(笑)。
その先生の門下生達ってなんとなくわかるのは、教えで導かれることもあると思うけれど、生徒が師匠に似てくる面があると思う。
でもこれも体格差や骨格の違いや必然性などがあるから、真似する意味のあるものと、実はないものがあるはずだけど、知らず知らずに先生を見ているから意図しなくても真似してしまうことがある。
真似するときに、音楽的・奏法的に必要なことかどうかの見極めが必要。
はあ、いい感じに言いたいことを出し切って、PCのレッスンから上手く繋げてまとまった!
と思っているのは私だけで、これだけ長文にしておいて、上手くまとまったはないっすね。
今日も、とっ散らかしまくりの長文にお付き合いありがとうございました。
クラリネット奏者、アレクサンダー・テクニーク教師 宮前和美
レッスンを受けてみませんか?
詳しくはこちらをクリック♪

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.