Facebookページ【多くの音楽家が知らないでいる、演奏に役立つこと。】
に2018年4月5日に投稿した記事です。
【invite(お誘いする、お招きする)〜実践編〜】
【invite(お誘いする、お招きする)〜実践編〜】
昨日、指導先の管弦楽部の定期演奏会がありました。
なんと、ゲストとして日本を代表するテノール歌手の福井敬さんがいらして、「誰も寝てはならぬ」がプログラムに入っていました。
もともと数曲エキストラとしてバスクラで本番に乗る予定でしたので、福井さんが歌うリハーサルは、客席で聴いていようか、GPだけは舞台に座って聴いていようか迷っていましたが、「バスクラパートがあったんです。」と生徒に直前に言われ、「吹きたい!」とほぼ脊髄反射的な早さで(笑)、生徒に答えていました。
もともと曲の最後にはいつだって涙が目に浮かんでしまうこの曲ですが、プッチーニはバスクラのいい所をきちんと知ってくれている作曲者だし、短い曲だって福井さんの声を聴きながら吹けて、一緒に舞台で音楽を作れるなら、絶対吹きたい!と。
福井さんがリハーサルの舞台に上がった瞬間には、もうすでにスイッチが入っているのが分かりました。
きっと楽屋から出てくるところから、いや多分、ホールに入る前から、もう舞台の準備をしていて、「invite(お誘いする、ご招待する)」が始まっているのが(以前投稿したブログ参照:キャシーのアイディアより)、その姿を見た瞬間に分かりました。
ゲネプロでの通し練習に舞台に現れたとき。
部員を見回し、まばらに座る客席を見渡し歩きながら歌うとき。
楽屋から出てきて発声練習をしているとき。
舞台裏で目が合ったとき。
満員の拍手を舞台の中央で浴びている後ろ姿をみたとき。
舞台からはけるときにオーケストラへ視線を送っているとき。
インタビューで話をしている声を舞台裏で聞いたとき。
舞台から降り、スタッフや降り番の人から舞台裏で拍手をされているとき。
花束を持ちながら控え室へ戻るとき。
ずっと途切れない「invite」。
一流のパフォーマンスをする人に憧れるのはこういうときです。
歌声はもちろんですが、それ以外のところで人を惹きつけるのだと改めて感じました。
福井さんの素晴らしい「invite」に感化され、私もバスクラを吹きながら最大限のお誘いを舞台でしていました。
こんな実践の仕方もある、という実践編でした!
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に2018年4月5日に投稿した記事です。
クラリネット奏者、アレクサンダー・テクニーク教師
宮前和美
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